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三枝 純; 川崎 克也; 三原 明; 伊藤 光雄; 吉田 真
Applied Radiation and Isotopes, 61(6), p.1383 - 1390, 2004/12
被引用回数:28 パーセンタイル:84.49(Chemistry, Inorganic & Nuclear)線スペクトロメトリ法により体積試料の放射能測定を行う際、各試料に固有の効率曲線が必要となる。環境試料の放射能測定や緊急時の試料測定においては、100keV以下の低エネルギー線を放出する核種の評価が重要となる。ここでは、代表点法を用いて体積試料に対するHPGe検出器の効率を評価するとともに、低エネルギー線に対する効率曲線を評価するうえで重要な補正因子となる自己吸収効果について詳細に検討した。また、代表点法を種々環境試料の測定に適用し実務へ活用するうえでの基礎データとした。
Krot, N. N.*; 佐伯 正克
JAERI-Review 2003-005, 37 Pages, 2003/03
本総説は、ロシア科学アカデミー・物理化学研究所・N. N. Krot教授により1997年に英文で記述されたものを、佐伯が翻訳したものが基礎となっている。分かり難い箇所については、原論文を読むことにより内容を補足したり、訳者注を付加した。さらに、1997年以後のデータを若干付加した。内容は、ネプツニウム5価化合物を中心に、陽イオン-陽イオン相互作用に関する全体像を記述したものである。まず、ネプツニウム5価化合物に現れる、陽イオン-陽イオン結合の特徴を紹介し、化合物中での陽イオン-陽イオン相互作用が、その物性に及ぼす影響や、陽イオン-陽イオン結合の確認手段等に言及した。さらに、他のアクチニドイオンの固体化合物中に見いだされる、陽イオン-陽イオン結合を概観するとともに、アクチニドイオンの固体化合物中と溶液中の陽イオン-陽イオン相互作用を比較して述べた。
野口 正安*; 小峰 隆志*; 上沖 寛; 松本 幹雄*
Radioisotopes, 50(7), p.301 - 307, 2001/07
標準面線源を用いてGe半導体検出器からの距離を変数とする面線源に対するピーク効率を求め、それを積分することによって任意の厚さと媒体の容積線源に対するピーク効率を計算する方法を検討した。従来の標準容積線源を用いる方法に比べて、この方法の長所は次のとおりである。正確な位置(高さ)決めと高い均一性のためピーク効率の精度が高い。一個の標準面線源を用いて、任意の媒体の容積試料に適用できる。また、線源の保管と廃棄が容易であり、かつ、経費があまりかからない。なお、容積線源におけるサム効果の補正に関する問題点が明らかになった。
浜田 祐二*; 河西 俊一; 西井 正信; 杉本 俊一*; 山本 忠史*
Japanese Journal of Applied Physics, 33(8), p.4764 - 4768, 1994/08
被引用回数:9 パーセンタイル:50.66(Physics, Applied)真空中および空気中において、室温でエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)に3波長のエキシマレーザー光(ArF:193,KrF:248,XeCl:308nm)を照射し、誘起される化学変化を紫外・可視吸光光度法、X線光電子分光法などを用いて調べ、その波長依存性について検討した。その結果、真空中、空気中いずれの雰囲気下でも、ArFレーザー光照射によってETFE中にジエンが生成し、KrF,XeClレーザー光照射では炭化反応が起こることがわかった。このArFレーザー光照射によるジエンの生成はレーザー光強度に比例し、1光子反応で起こり、またKrF、XeClレーザー光照射による炭化反応はレーザー光強度の3~5乗に比例する多光子反応であることがわかった。このようにETFEにおいて、レーザー光照射にともなう光化学反応過程が照射波長依存性を示すことを明らかにした。
加藤 金治
Fresenius'Z.Anal.Chem., (326), p.525 - 527, 1987/00
水溶性有機溶媒(アセトン、メタノール、エタノール及び2-プロパノール)のSiの原子吸収シグナルに及ぼす効果を調べ、50%(v/v)エタノール溶液の増感効果と標準添加検査法を用いたNO-CHフレーム原子吸光分析法によるアルミニウム及びアルミニウム合金中の低含量Siの迅速(非分離、直接)低量法を開発した。50%(v/v)エタノール溶液中のSi感度は2.2g/ml/%abs.で、水溶液中に比べ2.1倍の増感を得た。アルミニウム及びアルミニウム合金標準試料中の0.05-0.3%Siを相対標準偏差1.2-5.1%で良好に定量できた。
柴部 禎巳; 葉田 可林
Radioisotopes, 34(6), p.266 - 269, 1985/00
99%重水(DO)でも発芽するライムギの生理的性質をしらべた。ライムギ幼植物にDOを吸収させると、組織水のDO濃度は、根では30min以内、茎葉では5~6hで、吸収液の濃度と平衡した。平衡値は、根で各吸収濃度の87%,茎葉で55%であった。茎葉へのDOの移行速度は高濃度側でおそくなった。ライムギのKの吸収速度は、イネと同様に、DO濃度が増加すると低下し、0%DO下での39mol・g・hが97%DOでは18mol・g・hになった。この相対吸収速度の対数と各DO濃度との関係は、直線すなわち指数関数で表現できた。DOの生理抑制作用には濃度しきい値はみいだせなかった。50%の種子が発芽するに要する時間もDO濃度と相関した。DOはライムギの発芽,水およびイオン吸収の過程を抑制し、その制御の割合は濃度に相関したが、イネの場合ほどおおきくなかった。
柴部 禎巳; 葉田 可林
Environ.Exp.Bot., 23(4), p.361 - 364, 1983/00
被引用回数:2 パーセンタイル:22.37(Plant Sciences)イネ幼植物の生長は、茎葉、根ともに重水濃度に対応して抑制される。99.7%の重水では48hで黄化、枯死してしまう。HPO吸収は重水濃度に比例して抑制されるが、根から茎葉へのイオンの移行は、60%DOまではわずかであるが、60%以上では著しい。水の吸収も重水濃度が増加するにつれておさえられる。リン酸吸収、水吸収の相対速度をDO濃度にたいして目盛るとDOの阻害曲線がえられた。この関係からDO阻害にはしきい値がないとかんがえられる。
富永 洋
Nuclear Instruments and Methods, 114(1), p.65 - 69, 1974/01
大気浮遊塵試料の如き薄い試料の多元素蛍光X線分析の際に、各元素毎にやっかいな薄い標準試料調製をすることなく、簡単迅速に全元素を定量する方法を提案した。すなわち、純元素飽和厚さのX線計数と実効質量吸収係数とを用いて、各元素X線計数を元素質量(単位面積当り)に換算する。その方法の理論的根拠と、実験的な検証について述べた。さらに応用例として大気浮遊塵試料の分析についても説明した。